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話題の機能性成分、「CBD(カンナビジオール)」をわかりやすく解説

2018年10月、カナダが嗜好品としての大麻の使用を合法化したことや、アメリカの一部の州でも使用が解禁されたことがきっかけで、今、大麻関連産業は「グリーンラッシュ」と呼ばれる急成長にわいています。

そして今、この大麻に含まれる104種類ほどの成分「植物性カンナビノイド」の一種である「CBD(カンナビジオール)」に、不眠や頭痛、肩の痛み、嘔吐、てんかん、炎症、免疫調整などに対して効果があると考えられており、様々な機関で研究が進められています。CBDは、世界中の医療・健康産業界で注目・期待されている有用成分の一つなのです。

しかし、日本では「大麻の成分」=「全て違法薬物」と思われている方が多いというのが実状です。次世代の植物性健康成分「CBD」を正しく理解していただくために、ここでわかり易く解説していきます。

大麻とヘンプの違い

大麻は大麻草の花穂と葉を乾燥したもので、別名「マリファナ」とも言われ、違法な薬物として扱われています。使用することで、中枢神経系に作用し酩酊状態に陥ることで依存性が生じ、記憶力の低下や判断力の低下などが認められます。また一部鎮痛剤として医薬品などに用いられることがありますが、日本では違法となっております。それに対して「ヘンプ」は産業用の麻(アサ)で、大麻の依存性や危険性を排除したものです。こちらは危険性がない物なので、使用しても問題ないとされています。(ヘンプ繊維、ヘンプシード、ヘンプオイルなど)

名称 定義
アサ アサ科一年草の大麻草のこと。植物学では植物名をカタカナ表記する。本書では、亜麻や苧麻などの麻のつく他の作物は含まない。
大麻草 繊維、種子、根、花穂、葉を含めた植物体のこと。
アサを漢字表記したもの。麻畑、麻の実、麻子仁でよく使われる。
大麻(たいま) 大麻取締法第1条でいうところの花穂と葉の部位のこと。法律用語。
大麻(おおあさ) 地名や人名の分野で使われている。例:北海道江別市大麻(おおあさ)
大麻(おおぬさ) 神道において罪穢れを祓う道具の大幣のこと。
を(ヲ、苧) 栽培が当たり前であった戦前に、栽培地で使われたアサを意味する古語。また、麻と書いて「イト、イド」と読み、麻糸を示す方言もあった。
ヘンプ アサの英語名Hemp。主に産業用に利用されるアサのこと。マリファナと区別するために使われる。例:ヘンプ繊維、ヘンプシード、ヘンプオイル
カンナビス 学名Cannabis sativa L.が由来。英語圏では大麻草のことを示す。
マリファナ 大麻草の花穂を乾燥させてタバコ状にしたもの。
ガンジャ マリファナの別名。東南アジアでよく使われる。
ハッシッシ 雌株の花穂と上部の葉から分泌される樹脂を固めたもの。喫煙も経口摂取も可能。最も多くのTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含む。別名ハシシュ。
産業用大麻 Industrial hempの日本語名称。マリファナの主成分THCが0.3%未満の品種で、産業目的のために栽培している大麻草のこと。
医療用大麻 Medical marijuanaの日本語名称。人道的使用の観点から合法化され、医療目的のために栽培され、使われている大麻草のこと。
嗜好用大麻
(娯楽用大麻)
テレビ・新聞・インターネットなどのメディアで産業や医療分野があることを考慮して、マリファナ合法化=嗜好用大麻合法化と表記される。
カンナビノイド アサに含まれる独特の生理活性物質の総称。精神作用のあるTHCと精神作用のないCBD(カンナビジオール)が有名。その他にもたくさんあり、全部で104種類ほどある。

主要カンナビノイド「CBD」と「THC」

先に記したとおり、日本では、「大麻」=「全て違法薬物」と思われている方が多いと思いますが、「ヘンプ」の茎や種子から抽出されるカンナビノイドの一種「CBD(カンナビジオール)」は、もちろん「合法」な成分です。

CBDには、不安や不眠、てんかん、痛みの緩和などに有用であると考えられ、世界で開発が進められています。一方、大麻の花穂や葉に含まれているカンナビノイドの一種「THC(テトラヒドロカンナビノール)」は、陶酔感や多幸感をもたらす作用(精神活性作用)のある、日本では認められていない成分となります。しかし、THCにも一部CBD同様の有用な作用もあると考えられています。

CBD(カンナビジオール)の化学・物理的データ

CAS番号:13956-29-1
化学式:C21H30O2
分子量:314.46
融点:66℃
沸点:180℃

Δ9-THC(デルタ9-テトラヒドロカンナビノール)の化学・物理的データ

CAS番号:1972-08-3
化学式:C21H30O2
分子量:314.46
融点:160℃
沸点:200℃

※カンナビノイドには、Δ9-THCタイプ(18種類)、Δ8-THCタイプ(2種類)、CBDタイプ(8種類)、CBNタイプ(10種類)、CBCタイプ(8種類)、CBGタイプ(17種類)、CBTタイプ(9種類)、CBEタイプ(5種類)、CBLタイプ(3種類)、CBNDタイプ(2種類)、未分類(22種類)の104種類が存在すると考えられています。

THC CBD CBG CBN CBC THCV CBGA CBCA THCA CBDA
疼痛緩和
食欲抑制/体重減少
殺菌・細菌増殖抑制
血糖値を下げる
悪心嘔吐を減らす
発作とけいれんを減らす
真菌感染症の治療
炎症を減らす
睡眠補助
動脈閉塞のリスクを減らす
腫瘍/ガン細胞の増殖抑制
乾癬(かんせん)の治療
精神病管理、精神安定剤
抗けいれん
不安を和らげる
食欲増進
骨の成長促進
免疫系の作用抑制
小腸収縮抑制
神経系変性の保護

世界のCBDメーカー

このように、様々な有用性も認められ、健康食品や化粧品、ペットフードなどへの応用についても研究開発が進められているCBD(カンナビジオール)。大麻を栽培し、CBDを抽出している企業は日本にはありませんが、CBD含有製品を製造・販売する企業は世界に広がりつつあり、最近では日本でも見られるようになってきました。


世界の主なCBDメーカー

社名(国) 原産国
Hemp Meds(アメリカ) EU
ENDOCA(デンマーク) スカンジナビア
ディキシーボタニカルズ(アメリカ) 不明
ブルーバードボタニカルズ(アメリカ) 不明
ファーマヘンプ(スロベニア) スロベニア&クロアチア
ヘンプタッチ(スロベニア) スロベニア
エリクシノール(アメリカ) 不明
Talya(トルコ) トルコ

今では大麻を使用しない非大麻CBD(合成CBD)も

2019年10月、某CBDメーカーの日本で販売している製品が、日本の規制に抵触する可能性があるため販売中止が発表されました。そのようなこともあり、今では大麻から抽出されたものではなく、合成で作られたCBDが注目されています。
当社でも、CBD製品(健康食品、化粧品)の企画・開発依頼をいただいておりますが、THCを除去したCBDオイルではなく、現在はヨーロッパから輸入しております、もともとTHCが含まれていない合成CBDを使用することをおすすめしております。この原料を使用した最終製品への原材料表記は、「食用麻の実油」や「ヘンプオイル」ではなく、「カンナビジオール」となります。

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